当社は、化粧品の受託製造(OEM/ODM)を主軸とする中小企業として、品質・スピード・透明性を兼ね備えた生産体制を実現することを経営ビジョンとしています。
従業員約60名の規模で事業を展開する中、昨今の製造業界を取り巻く環境は大きく変化しており、原材料価格の高騰、需給バランスの変動、サプライチェーンの複雑化に加え、情報の高度な管理体制が求められています。
しかし、当社においては以下のような課題が存在していました:
・在庫管理、営業管理、情報共有といったシステムが分断されており、属人化や重複作業が常態化
・紙帳票やExcelを中心とした運用により、リアルタイムな情報把握が困難
・DX推進に対する意識はあるものの、全社的な体制や方針が未整備であった
当社は「現場に根ざした、実務改善型のDX推進」を基本方針とし、原料発注・在庫管理・営業管理などの情報を一元化することで、属人化の排除と生産性向上を図るDX戦略を策定しています。
・業務の属人化、アナログ業務を削減し、標準化と生産性向上を実現
・蓄積された業務データを活用した分析・改善サイクルの強化
・標準化を進め、ISO22716(化粧品GMP)を取得
・異なるシステム間のデータを連携、一元管理することで、情報活用を高度化
・中小企業としての制約を踏まえつつ、自律的かつ持続可能なDX環境を構築
・データに基づいた迅速かつ正確な経営判断の実現
・代表取締役をDX推進責任者とし、情報管理、製造、営業部門が横断的に連携する体制の構築
・内製開発担当者を中心に、デジタルリテラシー向上を目的とした社内教育を実施
<ITシステム環境整備>
・在庫管理システムとSalesforceをAPI連携し、PythonスクリプトによるRPA等の自動処理を導入しています。
・社内NASとクラウドを組み合わせたハイブリッド運用により、データの一元管理とセキュリティ強化を進めています。
・タスクスケジューラと環境変数設計により、安定的かつ安全な自動処理体制の構築・運用を進めています。
・システムのデータを自社開発ツールにて可視化・活用し、情報資産の再利用を促進しています。
・Googleスプレッドシートなどを活用した社内情報の自動連携によって、業務の効率化と情報共有の強化を図っています。
<データ活用の具体的取り組み>
【原料発注・在庫管理におけるデータ活用】
・過去の受注実績と原料消費データを分析し、原料ごとの消費パターン・使用頻度を可視化
・分析結果に基づき、適正在庫量・発注点を設定し、過剰在庫と欠品リスクを低減
・原料のリードタイムと消費スピードを照合し、発注タイミングの最適化を実現
【営業管理におけるデータ活用】
・Salesforceに蓄積された商談・受注データを分析し、案件の進捗状況と納期をリアルタイムで把握
・顧客ごとの取引履歴・製品仕様を一元管理し、見積作成や仕様確認の迅速化を実現
【製造・品質管理におけるデータ活用】
・製造工程のデータを電子化・蓄積し、ロットごとの製造条件と品質データを紐付けて管理
・過去の製造実績データを参照し、類似製品の製造条件を効率的に設定
これらのデータ活用により、経験や勘に頼っていた判断をデータに基づく意思決定へと変革し、業務品質の向上と効率化を両立しています。
DX戦略の成果を測るため、以下のKPI(重要業績評価指標)を設定しています。
・原料発注工数:2027年度までに50%削減
・平均リードタイム:2日短縮
・納期遅延率:現状の半分に低減
これらの指標を定期的に見直し、経営層がモニタリングを行います。
・蓄積された業務データを活かした分析・改善サイクルを強化し、製造・営業・情報管理の各部門におけるシステム連携の最適化を図ります。
・「現場主導・経営一体型」のDX体制を継続し、柔軟かつ実行力のある推進を通じて、業界内における競争力向上と持続的な企業成長を目指します。
・ISO22716(化粧品GMP)を取得するとともに、製造工程を電子化し、迅速かつ正確で、透明性の高いモノづくりを行う企業を目指します。
以上の取り組みを通じて、当社はDXを継続的に推進し、お客様と社会から信頼される企業を目指します。
代表取締役 西 陽介
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